高知の味をつなぐ、マルキョウ味噌醤油さんを訪ねて
2026.05.18
今回ご紹介するのは、高知県須崎市で大正時代から続く老舗、マルキョウ味噌醤油さん。

歴史ある建物は、蔵や屋根裏に当時の名残を残しながら、今も現役で味噌や醤油をつくり続けています。

お話を伺ったのはご夫婦。実はお二人とも、もともとは横浜でビールづくりに携わっていたという異色の経歴の持ち主です。発酵という共通点から味噌・醤油の世界へ。後継者不在の中、「この味をなくしてはいけない」という思いで須崎に戻り、家業を継がれました。

しかし、継承の道のりは決して平坦ではありませんでした。設備は古く、従業員も少人数。コロナ禍では飲食店の休業により売上が落ち込み、配送体制の見直しを迫られることも。それでも続けてこられたのは、「味を変えないでほしい」というお客様の声があったからだといいます。

印象的だったのは、“味は思い出そのもの”という言葉。
おばあちゃんが孫へ送る醤油。
県外に住む子どもが「この味が嬉しい」と言ってくれる瞬間。
三代続けて使ってくださるお客様の存在が、ものづくりの覚悟を支えています。
原材料の高騰で価格が2倍、3倍になっても「それでもこの味がいい」と言ってくれる飲食店さんのために、表向きは終売でも、実は密かに作り続けている商品もあるそうです。

中でもおすすめは「刺身醤油」。漁師町・須崎ならではの濃厚で甘みのある味わいが、新鮮な魚の旨みを引き立てます。そしてもう一つが「小桜(うま口)」醤油。何度も味見を重ね、丁寧にブレンドして仕上げる一本で、卵かけご飯との相性も抜群。
今回の“高知便”では、この小桜醤油を卵・お米・かつお節・海苔とともにセットにしました。
「高知といえばカツオや龍馬だけじゃない」
そんな思いも共有しながら、地域の魅力をもっと広く届けたいと語るお二人。
味噌や醤油そのものはなくならないけれど、“味噌醤油屋”は工夫しなければ続いていけない。だからこそ、トートバッグをつけたり、新しいデザインに挑戦したり、次の100年を見据えた一歩を踏み出しています。

最後に、「このバッグを持って、ぜひ会いに来てほしい」と笑顔で話してくださいました。
商品をきっかけに高知を知り、いつか足を運んでもらえたら――それが一番の願いです。

老舗でありながら挑戦を続けるマルキョウ味噌醤油さん。